かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

ITER誘致断念の方針/政府

今話題?のITER誘致合戦ですが、一歩も引かないフランスに押された模様です。
そのかわり、IFMIFが来るんですよね。
ITER誘致断念の記事で、関連の材料研究施設と表記されていますが、IFMIFのことでしょう。
IFMIFを簡単に紹介すると、核融合炉で使う材料を研究する施設(だったと思う)で、特に放射化しない壁の研究に勤しんでいるというイメージを個人的に持っています。これはこれで重要な施設ではないかと。

核融合研究はちょっと誤解されているところもあって、クリーンなエネルギーと言われているために、放射線が出ないという風にイメージされている方もおられるようです。核融合反応では、中性子が出ます。出ないようにする研究も行われていると聞きますが、理論的にも実現できるかどうか難しい所みたいです。
じゃなんで核融合が良いのか。それは資源が海からとれるという点にあります。正確には、水を構成する水素のなかに、一定の割合で含まれる重水素を利用することが出来ます。海には水が山程あり、資源で争う必要がないので、平等な資源として有効に利用できると。おそらく実際には、海から重水素を取り出すための施設にどれだけ投資できるかも大きな問題になって来るんでしょうけど。

ITER計画に批判的な方々は、予算や安全性を問題にされることが多いようです。
予算に関しては、経済のことは良く分かりませんが、資源が無いために日米戦争に踏み込まざるを得なかった歴史を考えると、日本にとっては大変切実な問題だと思います。政府の方針としても、核融合に関してはいろんなアプローチに予算を出してますし、核融合以外にも高速増殖炉の研究など、余念がありません。実際に石油が無くなったときの選択肢の一つとして考えると、予算が高いとも言っていられないと言う感じです。
では、安全性についてはどうなんでしょうか。核分裂を利用した原子炉では、1年分の燃料をいれてしまってじっくり運転する(語弊はあるかもしれません)と言う感じでしょうが、核融合では、必要な分を必要な瞬間に供給すると言う感じです。また磁場によってプラズマを支えているので、磁石が壊れると連鎖反応も止まります。世の中に絶対安全な物はありませんが、核融合炉に関しては、”物理的に暴走しない”ものですから、危険度は低いと思います。
唯一の問題点は、放射化した壁の始末と、それに関連したコストでしょうか。そして、この問題を克服するために、先程申しましたIFMIFがあるんですね。きっと。

と、しょっぱなからいろいろ言ってしまいましたが、核融合炉が完成したときに恩恵に預る国は多いわけで、中途半端な国際協力ではなく、みんなでやればいいんじゃないでしょうかね。地球に太陽を作る。夢のある話だと思うのですが。