かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

ファイル交換ソフト「違法性問える」 米最高裁判決

アメリカ最高裁にて、ファイル交換ソフトの違法性を問えるとの判断を示しました。
日本国内でもウィニー(Winny)の製作者が逮捕され、その違法性が問われています。これまでは、ウイルスを作るソフトであろうが、著作権を無視したファイル交換ソフトであろうが、そのソフトの製作や配布自体に違法性な無いと言うのが一般常識だった様に思えます。人を殺せる包丁を作ろうが売ろうが犯罪ではないと言う判断ですが、それ以外にもこれらを違法とするのであれば、プログラマーの創造的発想を阻害するという意見もありました。ちなみに、ウィニーの作者は、日本の著作権システム自体が時代遅れであるため改革が必要だという思想を持たれていたようでした。
ファイル交換ソフトは、それをインストールしたあと、インターネット上にある”相手先情報”を入手して登録すると使える様になります(個体差はあります)。ウィニー等は言葉を登録するとそれに引っかかる名前のファイルを片っ端から落しつつ、関係の無いファイルまでやりとりしだします。場合によってはインターネット通信の9割も締めてしまう場合もあるなど、プロバイダーにとっても悩みの種の様です。最近は光になったために多少は緩和されたかもしれませんが。
今、携帯電話で音楽をダウンロードして聴くのが流行っているようですが、これは”違法なやりとりが出来ない”、”代金を必ず回収できる”と、インターネットでのファイル交換の問題点を克服している点で、業者が後押しをしやすい状況にあるためというのも一因のようです。
私もプログラムは書きますし、他人のインターネット通信を”のぞく”ことは技術上可能です(となりの席の人のという程度ですが)。インターネット上の技術はまだまだ発展途上で問題も山積しています。一番の問題は、ネット上の問題点を逆手に取ってこっそりと他人に被害を被らせることだと思います。そういう意味では、問題を公にした上で行っていることは十分に意義があるものだと思います。昔(といっても十数年前)からパソコンを触っていた人間からすれば、問題点が分かっていて、なおかつ指摘されているのに対応しない奴が悪いと言ってしまいそうです。その辺の不作為の罪を放置して、勇気を持って行動したプログラマーを攻めることは、やはりこっそりやった方が得だという体制を作りかねませんし、今後問題点を見付けても指摘してくれなくなる可能性もあります。
今回のニュースにあるナップスターウィニーは多少状況が異りますから、実際にどれほど影響があるのかは微妙です。国内において、もしウィニーの製作、配布が違法であるとするのであれば、検査側が明確な基準を示していく必要があると思いますが、個人による問題点の指摘*1という側面を含んだ行為に関しては、寛容する社会的なゆとりを持って頂けたらと思います。

*1:ネット上でセキュリティーの貧弱性がありますよと、その貧弱性を突いて侵入した後に指摘された方が逮捕されたということもありました。