かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

理系学生の生活

前回の続きです。
前回は理系の方がつきやすい職業の給料は上がりにくいんじゃないの的な(ちょっと違いますけど)ことを書きました。今回は理系大学院生の生活です。
日ごろ何をしてるんでしょうか?
場所によってまちまち...
話が終わってしまいそう。
大学院は研究機関です。
多くは大学4年生の頃に配属が決まります。
小さな講座(例:教授1人助教授1人講師2人学生5人)から研究所(教授の人数など国の規定?によって研究所と呼ばれたり研究センターと呼ばれたりします)までいろいろ選択肢はありますが、ある大学からいける大学院は限定されます。
要するにその大学の大学院か、連携している研究所などに限定されます。
”おれはこんなことやりたいんとちゃうねん!”
と思ったのであれば、大学院で別のところを受ければよいだけです。
ただし、
ただしですね。やっぱり内部からの受験のほうが断然有利です。大学院や専攻によって採点方法が異なりますので一概に言えませんが、少なくとも入試に使われる問題を作っているのが所属の先生である以上、授業の内容に近い問題が出題されます。他の大学院を受ける人は、その大学に行って、事務等で過去問をもらい(印刷代は別に取られる)試験対策を行うことになります。それでも、面接の配点を大きくして締め出す大学もあったりします。京都大学の大学院は結構有名ですよね。京都大学大学院に行きたい人は、京都大学に行きましょう。
院試に受かれば晴れて院生です。
院生の生活は、所属する団体によってまちまちですね。
小さなところで、実験設備を自分で抱えているところはいつでも研究できるため、学会前だけ特に忙しくなったりします。小さい講座だけど実験設備を外に依存している(加速器などを借りている)ところは、1〜2週間連続で忙しいかと思ったら、残りはその解析だけだったりします。大きい実験設備を自前で持っている(研究所など)ところはコンスタントに実験をしているので、人間らしい生活がおくれます。講座によっては、成果がまったくでないためにひたすら徹夜で実験をするところもあります。
一応修士課程の間は授業があって、数十単位は必要になります。傾向として試験よりレポートが多く、本業である実験にあまり影響しないように配慮?されています。
一言で理系といっても、その中には

  • 医学、薬学
  • 工学
  • 生物
  • 物理

とあり、その中にさらにいろいろ分かれています。ちなみに、上から順に博士でも就職しやすそうな順です。修士までに就職する場合に、分野は大きくは影響しません。

暇な時間は何をしているのか?旅行している人もいるでしょう。つりをしている人もいるでしょう。パソコンでひたすらさまよっている人もいるかもしれません。しかし、ゼミと呼ばれる勉強会もありますし、後輩の指導もしなければなりませんし、先生が書く論文の図を作るお手伝いをしている人もいます。博士課程であれば、ある程度は論文を読んだり書いたりもしています。
仕事の時間を個人の裁量で移動できるので、自由度が高い分に見られますが、結構働いています。学生にしては。
お金に関してはどうでしょうか?場所にもよるでしょうけど、いつ研究で忙しくなるかもしれませんし、忙しくなると曜日などは関係なくなるため、バイトには二の足を踏んでしまいます。それでも果敢に励んでいる人もいます。
授業料は博士修士過程共に国公立でおおよそ50万円/1年です。大学と変わりません。私立はまちまちです。博士課程は授業が無いのに(正確には行かなくても良いため行かないだけ)授業料を払っています。私のお金を返してぇ
こんな感じで、忙しいときは忙しいけど、暇なときには論文を読みつつこうしてネットにいそしむことも出来るわけで、結構充実した日々を送っている人が多いのではないかと推測しています。
ちまたでは、教授の研究成果はすべて大学院生が出していると聞きます。おおよそ本当です。会社で言う社長が教授で、社員が授業料を払っているはずの学生です。学生はいきなり専門知識を持つわけ無いので、教授の指導の下研究を行います。教授は自分の指導の下での研究成果なので、その論文を書きます。さらに学生が論文を書く際には先生が添削してくれますし、ほとんど書き直してくれる方もおられます。ということで、特に問題はなさそうですね。ただ、博士課程の学生は、教授レベルじゃないにしても後輩の学生を指導し、実験方針を指示し、考察まで一緒に考え、論文を添削したりします。ただでね。
個人的には、塾の講師とかもしてましたし、人に物を教えるのは好きなほうなのでかまわないんですけど、資金面でもう少し何かしらの援助があったほうがよろしいんじゃいですかねと思わなくも無いですね。授業料がただで、生活費をいただけるのであれば、言うことなしです。
人によっては、教授の指導の下でも研究をしているのだから、給料をという人もいるかもしれません。しかし、普通の会社で、新入社員がほぼかならず2〜3年で転職し、時々5〜6年いる人もいるけどずっといる人はなかなかいない。そんな状態では十分な給料は払えないでしょう。
教授との関係はどうなんでしょうか?
巷で言う教授が超極悪というのは割合として小さいですし、そこの学生と話をする機会さえあれば、ある程度予想でき回避できるのではないかと思います。ただし、ちょっと変位の人はたんまりいます。一度関係を崩すと、その業界では学会でも会うしうわさも広まりやすそうなので、分野を変えざるを得ない場合もあるでしょう。学年が進むにつれて、そのリスクは非常に大きなものになります。せめて1年生までに見極める目を持ってください。
まぁいろいろ書きましたが、自分の希望する分野の講座に進めたのであれば楽しい院生生活が送れること請け合いです。