かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

日本の莫大な借金はどうやって返すのか2?

シリーズ日本の借金第2段です。
前回日本の収支を860万円の年収のおたくに例えてその金額の大きさを説明しました。
今回は、少し数学チックなお話になって行きます。極力簡単に説明しますが、数式は出て来ると思います。
まず、借金を返すとなると普通はどう考えるでしょうか?金額が大きければ、おそらく
”毎年一定額を返済して、数十年で完済したいな”
となるのではないでしょうか。この一定額で返すときに、どれくらいの額を返す必要があるのかを計算するためには、まず金利がいくらなのかを知る必要があります。
日本の借金は国債で賄われています。国債も返済期間によっていくつか種類がありますが、今回はめんどくさいので一番長期間の国債を考えてみます。
国債金利は発行時に決まっています。半年ごとに更新するそうです。十年物(10年後にお金が帰って来ますよと言う商品。実際には債券市場で売買できる)で今は年利だいたい1%程度です。前回の7500万円の借金で180万円の利息というのは2.4%に相当します。今は非常に低金利な時代ですから、昔の金利が影響しているんでしょう。国債金利の変化を調べてみるとバブリーな時代で7.5%を超える程度です。日本の借金を何年で返したいのかにもよりますが、とりあえず今後の国債金利の平均を3%と置くと、妥当ではなかろうかと思います。
ではでは。日本の借金を何年で返して行きたいでしょうか。子どもや孫に借金を残したくないと言っても、10年で返せるようには思えません。一般家庭が数千万の借金をする場合は30年程度のローンを組んでいるような感じがします。国は親子のローンの引き継ぎがありませんから、もう少し長めに見て50年としましょう。
と言うことで、一旦まとめると、

借金 : 7500万円
金利平均 : 3%
返済期間 : 50年
毎年定額で返済
金利は複利

ではでは。具体的な数式ですが、いきなり結論の数式から入ってみたいと思います。
借りたお金 : A
金利 : r
返済年数 : n
返すお金 : T
T=\frac{Ar(r+1)^n}{(r+1)^n-1}
この数式にそれぞれの値を代入するだけで、定額いくら返して行くべきか求まります。
では、求めてみましょう。
T=\frac{75000000*0.03*1.03^{50}}{1.03^{50}-1}
T=291(万円)
と言う感じになります。ようするに490万円の収入の内、291万円を借金の返済に回すと50年で完済出来ますと言う結果です。残りの199万円をみんなで大事に使いましょうね。
上記の計算はエクセル等表計算ソフトでも簡単に出来ます。上記の文字列を使うと
1年目 : A*rーT → B
2年目 : (A*rーT)*rーT → B*rーT
とセルで順番に計算する事でも簡単に出来ます。多分。
次回以降、返済金額をどこまで下げられるのか、どの当たりの税金を持って来れば良いのかを検証してみます。


ここからは、上記の式の証明をしておきます。以下で示される等比数列の和は数学的に非常に美しくまとめることが出来る、私の好きな式でもあります。
間違いもありますから、御自分でも一度手で計算される事をお勧めします。

まず、1年ごとに考えてみます。
1年目 : A*rーT
2年目 : A*r*rーT*rーT
3年目 : A*r^3ーT*r^2ーT*rーT
・・・・・・・・・・・・・・・・
n年目:A*r^nーT*r^(n-1)ーT*r^(n-2)ー ・・・ ーT*rーT ・・・(1)


n年目の式(1)=0となるようなTを求めれば良いので、
T*r^(n-1)+T*r^(n-2)+ ・・・ +T*r+T = A*r^n ・・・(2)
ここで(2)の左辺=Sとすると、
S= T*r^(n-1)+T*r^(n-2)+ ・・・ +T*r+T ・・・(3)
rS=T*r^n+T*r^(n-1)+ ・・・ +T*r^2+T*r ・・・(4)
(4)ー(3)=(rー1)S=T*r^nーT=T(r^nー1)
から
S=T\frac{r^n-1}{r-1} ・・・ (5)(きれいな式になると思いませんか?)
がもとまる。
(5)=A*r^n
なので、
T=\frac{Ar^n(r-1)}{r^n-1}
実際の計算では、金利が3%のとき、r=1.03となることに注意する。

という感じです。途中計算等間違ってたらごめんなさい。こっそり教えてください。わかりにくい場合も教えてください。