かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

就職活動

博士の就職活動を語る前に、一般的な就職活動をば。
(一般公務員に関しては触れてません。あしからず。)
まず簡単に就職活動の順番を説明してみます。

  1. 就職支援ウェブサイトに登録(11月始め)
  2. インターンシップに参加(11月に申し込むが参加できず)
  3. 学校等の就職説明会に参加(いってません)
  4. 企業のエントリー(1月頃)
  5. 就職説明会に参加(1月頃)
  6. エントリーシート提出(3月)
  7. 採用試験(3月から)
  8. 学校推薦(1月あたりから)

括弧は私の活動時期ですが、結構遅いと思います。ウェブサイトの登録とインターンシップの申し込みは半年早く見ておいても良いと思います。
とくに注意をしないといけないのは、マスコミ等就職内定を非常に早く出す業界があることです。うろ覚えですが、マスコミは1月あたりに内定者をぼちぼち出していたように思います。
インターンシップとは1〜2週間程度企業活動に参加し、社会人を体験できるというものです。企業によって手当てが出るところと出ないところがあります。
インターンシップに参加したほうが良いのかどうかですが、時間さえあれば参加するに越したものはないです。建前上参加は採用に影響しないと言っていますが、あれはウソです(たぶん)。やっぱり企業はいい人材を欲していますので。しかし、逆に使えないと判断される可能性もありますよね。
就職支援のウェブサイトですが、私は”リクルートナビ”と”みんなの就職活動日記”を利用していました。特にリクルートナビは企業の説明会などの情報を検索できますので、必須です。みんなの就職活動日記は、ようするに企業別の掲示板です。面接に落ちたとか受かったとかわいわいやってます。時々企業を悪く言う人もいますが、その辺は自分の目で確かめてください。内定がもらった後も、”みんなの就職活動日記”は内定者で飲み会とかのOFF会をやっているみたいですね。他にもいろいろありますが、私は別に使いませんでした。たとえば、豊田自動車は毎日就職ナビ(だったと思う)から登録するようになっていますが、一応リクナビにも案内はありましたし。
企業のエントリーはリクナビで登録します。登録しておけば、企業説明会の案内等が送られてくるようになります。別に採用試験を受けないといけないわけではないです。
12月を超えてくると、企業の説明会などが始まりだします(もっと早いところもあると思います)。合同説明会等もあり、この手の説明会はお金が出ないので、もっとも金銭的に苦しいところかもしれません。ちなみに、企業の説明会は2月あたりが申し込みの山場ですから、この時期を逃すのは後々痛いです。というか痛かったです、ほんと。
企業の採用試験の多くはSPI等やウェブでのエントリーシート(希望動機や入ってからやりたいことなどを書かされる)などで始まります。私が参加した企業では、たいてい企業説明会を聞くことが採用試験を受ける条件になってました(企業説明会後希望者は採用試験を受けられるなど)。SPIは詳しく知りませんが、微妙な選択問題で性格の診断をしたり、簡単?なテストで最低限の知識を確かめる程度ですね。簡単といっても数学は文章問題で、数も多かったため、私もあまり出来ませんでした。合格しましたけど。
企業に受かった後、性格診断っぽいテストで何を見ていたのか人事の人に聞いてみたんですが、私が就職する企業はストレスに対する耐性をみているとのことでした。
学校推薦とは、企業がこの大学ではこれくらいとろうという感じで大学側に通知するものです。昔は教授に何人学生を回してください的な雰囲気だったと思うのですが、最近は少し違います。大学に、この学部、研究科の学生を何人くらい取りたいと通知するので、大学側はそれを掲示し希望者を面接に回すという感じで、エントリーシートやSPIで落とされずに最低限面接を受けることが出来るという程度のものだと考えたほうがいいかもしれません。
わたしが行く企業も多くの人が学校推薦で来ていると思うのですが、人事の人に倍率を聞いてみると、
”18倍でしたよ。でも4人枠のうちまだ3人しか決まっていません。”
ということで、多くの方が落とされてしまっている事が伺えます。
それと、学校推薦(OB推薦も)で注意しなければならないことは、一般応募と両方申し込むことが出来ないということです。しかも学校推薦はいつ来るのか分からないため、一般の応募を先に申し込んでしまって学校推薦が受けられないという悲劇がたまにあります。すでに希望の企業があるのであれば、就職担当の先生と話し合ってみることをお勧めします。
実際に企業面接が進んでしまえば、あとは企業の言うがままに進んでいきますので、特に状況は説明しません。
就職面接での注意事項等はこれまた気が向いたら書いてみたいと思います。


ではでは。博士の就職活動はどうなんでしょうか?まずは私の話です。
一般の企業に就職する場合には他の皆さんと同じです。しかし、私は学校の就職説明会に行ってません。これはなぜかというと、時期的に忙しかったこともありますが、周りの人で就職活動をしている人が少ないので情報がなかったこともあります。みんなで相談しながらという感じではないですね。ただ、先に就職して言った後輩に確認してみると、学校の説明会は最低限のマナーや知識という感じでそれほど役に立たないと言っていましたが。
11月頃にリクナビに登録して、博士課程まで募集している企業を検索にかけるわけですが、これの少ないこと。ケミカルやバイオはちょっと希望が持てそうですね。物理とか天文とかといういわゆる理学系は絶望ですか?私は学部は理学ですが、博士での就職も考えていたため、工学系に進んだわけですが、それでも状況はあんまり差がなかったですね。ちょっとましという感じです。
もちろん企業の研究所で同じ分野があればそれが一番いいわけです。しかしもちろんライバルはたくさんいますし(博士あまってますしね)、だめだったときの保険がなかったり・・・。
いわゆる製品の研究所以外で博士の行く道はどこでしょうか?ということで私が目をつけたのが”シンクタンク”です。博士も募集に入ってます。
科学技術系に強いシンクタンクは日本にもいくつかあります。自分の専門分野の将来の見通しとか実際の研究は出来なくても、専門に非常に近いところで仕事が出来そうです。政策提言とかも面白そうです。
しかし結果は惨敗。エントリーシートで落とされてしまいました。エントリーシートを書いている途中に飲み会に連れて行かれ、先生(担当じゃない人)にがすがす日本酒を飲まされ、あげくに”どうせ受からないよー”とかのたまわれ、ふらつきながら研究室に帰って続きを書いて送信したのがいけなかったのでしょうか?
会社説明会では、文章がしっかり書ける人が欲しいといっていましたから、きちんとした推敲を重ねていない内容ではだめだったんでしょうね。もちろん大学のネームバリューもあると思いますが(こういうとき東大は強いです)。
惨敗後に大学の就職課に行って(エントリー前に行けよという突っ込みは歓迎)調べてみましたら、採用しているのは政策系の研究科が非常に多く、それ以外で博士はいませんでした。これが悲しい現実。それでも数少ないOBを訪問することで結果は変わっていたと思います。
分野は絞っていましたので、どこか受かるだろうと高をくくっていた私。3月終わりごろに現実を知って結構おろおろしだします。これは今流行のNEETしかいないのか?しかしまだ研究者という道も残されている。
なやみに悩みつつ迷走していましたね、この時期は。具体的にはリクナビで企業説明会をしている企業を探して分野関係なく行っていました。そして、SE系でちょっと面白そうだったので、採用試験を受けることに・・・。
研究ではFortran95とC++を使っていますが、”仕事でプログラムは書くまい”と思っていたのですが、水は低い方へと流れるものです。
ちなみに、SE系の職種は理系文系を問わないというところが多いです。プログラムは質さえ気にしなければ覚えるだけで誰でもかけるという認識もあります。個人的な感想ですが、プログラマーに合う合わないの割合では理系文系の差はなさそうです。数学を必要とするルーチンはたいてい別に作る人もいますしね。しかし、理系の人はプログラムというものに触れたことがある人が多く、自分があっているのかどうかは仕事をする前から分かっています。つまり、企業面接に行く前にふるいにかかっています。方や文系の方では趣味以外でプログラムに触れる機会がなかったりします。趣味だからこそ、一部の方は理系の研究で触っている人より詳しい人も多いと思いますが、多くはプログラムって何?って感じだと思います。文系でSEを目指す人は、少しくらいプログラミングをしてみることをお勧めしときます。
話を元に戻しますと、SEの採用試験は4次まであったわけですが、極力遅く進めていました。他がなければ仕方ないですが、出来れば他の職種にしたかったわけです。
迷走を続けるなか、4月の終わりにある企業のOB推薦の話がありました。多くの企業の一般的職種では、仕事の内容は入ってから決まります。ある程度の希望は聞いてくれますが、その程度です。私のところに来たOBさんの話によると、そこは部署ごとに募集をしているため、入る前から仕事がある程度決まっているといっていました。そしてパンフをもらって眺めていたら、なんと環境系ソリューションの仕事があったわけです。シンクタンクを希望していた私ですが、パンフだけ見ると結構近そうです。さっそくOBさんに連絡して受けさせてもらいました。ただ、私が希望する部署は博士を募集していません。博士を募集していなくても修士扱いでも良いですよという変則技はありますが、それを安易にしてしまうと、後輩の皆さんが苦労することになります(博士でも修士扱いでとれるじゃんという認識をもたれたくない)。OBさんも、”だめもとで受けてみる?”と微妙な表情をします。結果的には希望から2週間程度と非常にスピーディーに決まったわけですが、向こうの部署でも結構もめたそうです。なんせ博士を取ってませんから。結局人間として面白いという理由で”博士”としてとってもらいました。


博士の身分で民間に行こうと思っている人に、少しアドバイスをしてみますと、

出来るならOB訪問を行う
エントリーシートは人事部が見ますが、専門などは分からないため、直接OBの方の所に行って話を聞いたりするほうが良い。面接まではいけると思います。
インターンシップに申し込む
時間があればですが、1週間程度行ってくる方が受かる確率は上がると思います。
大学の就職課で調べる
OB訪問をするためにはある程度就職課には行っていると思いますが、結構いろいろ情報があります。企業別のOBリストとか学部研究科別内定企業の情報があります。先輩方がどういうところに行っているのかは結構参考になります。とうか現実を知ることになります。
いろんな企業の説明会に行く
企業の説明を聞けるのはこの時期だけですから、ある意味いい機会だと割り切って、職種を絞らずにいろいろ回ってみることをお勧めします。特に希望の企業が決まったら、ライバル企業の説明会にも行っておくと、面接の際の”なぜわが社を(他にもあるのに?)”という厳しい質問の答えも見つかりやすいです。たくさん回るとお金も使いますから考えて回りましょう。

面接に関して思うことはまた別の機会に触れます。
ちなみに、今までの話は企業の1次募集で内定をもらうことを想定しています。4月ごろから2次募集も始まりますから、出遅れた人でも希望をなくすことはなかったりします。


普通の博士の進路に話を振って見ましょう。
普通の博士のコースは大学等での研究になります。力の強いというか、コネをたくさん持つ先生の下ではあまり苦労はしないと思います。なんせひとつの枠に山ほど博士が寄ってきます。力量を測ろうにも測りにくいわけですから、結局コネが物を言います。
コネがない場合には?普通最初はポストドクターと呼ばれる枠に収まります。国からお金をもらって(自分の給料を確保して)希望の講座や研究所に入れてもらうわけです。ポストドクター(以下ポスドク)自体はややこしいので割愛。給料を払ってもらうあてがあるので、どこでも比較的楽に置いてくれます。期間は1年更新の3年までというのが多いのではないでしょうか?問題はこのポスドクは比較的なりやすいものなのに、助手等になるのが非常に難しいのでポスドクに甘んじてしまうケースがあることです。しかし助手には年齢制限があったりして35歳までにパーマネント(安定した雇用先。ポスドクはアルバイト扱い)につけないと非常に厳しい未来が待っています。だったらがんばって助手になったらと言われそうですが、簡単に言うと、枠が半分のところにみんなで群がっている状況ですから、それは大変だと思います。
話を戻すと、ポスドクは期間採用のアルバイト扱いなので、皆さん助手を考えます。ということで、まずは就職活動。8月を越えたあたりからぼちぼち枠が出だします。ただ、枠は出だしますが、採用が決定する(内定をもらうようなもの)のは12月とかそれ以降だったりするわけです。卒業3ヶ月前になっても就職先が決定していなくて、自分の希望している1つの枠には同じような学生が5人もいる状況を考えてみてください。まだましじゃんとか言われそうです。例えが甘いですか?私の先輩は3月に就職先が決まっていましたし、その前の人は次の年度の8月頃に決まっていました。なんでそんなに遅いの?と聞きたくなります。
博士の就職の現状の厳しさは博士の生き方を参照してください。


個人的には、民間の博士の枠が小さいのは企業や行政の取り組みが不足しているためだと思いますが、われわれ自身も努力できるということを理解すべきです。
企業面接は訪問の営業みたいなものです。こちらから勝手に需要を予想してあきらめるのはもったいないわけで、希望を持ってやりたい仕事を探してゆくのが一番良いと思います。みんながんばってね。