かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

またまたネタにして申し訳ない

昨日も毎日の日課であるWBSを見ていたら、こんなやり取りがありました。
(細かいところは正確じゃないです。雰囲気だと思ってください。)


少子化担当大臣である猪口さんが出演して、
「これからは人口が減少してゆくが、”先進国”でみた女性の労働率(正確な表現は失念)と出生率を調べると相関があった。」
「女性の労働率が上がると出生率もあがる。」
とグラフを示しながら言ったのである。まぁ前から言われていたことだし、別に目新しくも無いけど、そんな適当なことテレビで言わんで欲しいなぁと思っていたら、ミスター円こと榊原さんが
「2点をとって相関を言うのは簡単なことなんですけど、出生率が高いところは北欧でしょ。日本と比べて婚姻の形態が異なるんだから比較はできないでしょう。」
と正論なんだけど、ものすごくストレートに言われたんですね。
そのあともいろいろやり取りしてましたが、結局まとめると


猪口さんの主張は

  • 日本では、女性の労働率が低い。
  • 先進国を調べてみると、女性の労働率が高い程出生率も大きい。
  • 政府の方針として女性の労働率がもっと上がってゆくように対策をとってゆく

という感じで、


榊原さんの主張は

  • 日本と文化や婚姻の形態が大きく異なる国との比較には根拠が無い
  • 昔の日本(今の北欧よりは昔の日本の方が今の日本に文化は近いからという意味だと思われます)と比較すると、女性の労働率が上がる程出生率は減少している。
  • これから先、出生率が上がるための制度は必要だろうが、減少は止められないんだから、減少した時用の対策を取っておかないと国政を過ってしまう。
  • 日本は非常に閉鎖的な社会なので、もっと移民を受け入れて労働力を確保しないといけない。

という感じでした。


ちょっときつめの表現をしてみますと、猪口さんはどうも最初から女性をもっと社会進出させるという大きな使命があって、そのために少子化対策を利用している様に見受けられました。
なぜかというと、たしかに北欧と比較するくらいなら昔の日本から女性の労働率と出生率の時間的変化を示した上でグラフにした方がよほど参考になるにもかかわらず、今の先進国との比較に固執していた様に見えたし、北欧の婚姻の形態など文化の違いに一切触れていなかったからです。
日本も今後北欧の様に女性の半分が結婚しないで子どもを育てる形態を取ることを良とするのだと言い切れば、あの相関図を持って来て説明することも良いと思うんですけどね。
確かに榊原さんの言い方も一般的にはきついものだと思いますけど、猪口さんは仮にも前職上智大学教授であられたわけですから、もう少し学術的な議論をされても良かったのではないかと思います。


あとですね、この手の議論をするときには、もっと問題点、論点、ポジションを明確にする必要があると思うんですよ。
つまり、論点が

  • 女性の社会進出を促す
  • 出生率を上昇させる
  • 人口減による社会的不都合を解決する

の3点あったようですけど、まず自分のポジションなのか(どれが一番重要か)を明確にした上で、なぜなのか(そのポジションについた理由)を説明し、議論を展開する必要があると思うんですけどね。


あんまり人の批判ばかりしていると、”じゃああんたはどう思ってんの?”とか言われてしまいそうなので(思わない方は以下すっとばしてください)簡単に説明すると、人口減による社会的不都合を解決するという立場から、
前提として、

  • 移民政策はしない
  • 少子化は当分(数十年)止められない
  • 文化として家庭のあり方、女性のあり方、男性のあり方を変えたり、見方を変える事は非常に困難(永い時間をかけて熟成されるものだと思っているから)
  • 人口が減少するのは長い目で見ると一時的な過程なので、それほど気にする必要はない(全体として子どもを生みたいと思う気持と子どもを生みたくないと思う気持それぞれにさまざまな要因があり非線形に絡んでいるため、一度減り始めたからと言って線形的に減り続けるという主張や懸念の方が科学的でない)
  • 人口減少によって国内のGDPは下がるかもしれないが、資本主義的には一人当たりGDPをあげれば生活は豊かになる。

というのがあり、そこから

  • 人口減で起きるであろう社会的不都合に対する対策を行う
    • 定年を無くすか、あえて50までとかに下げて、第二の就職活動をしてもらう
    • 日本の強みが知的財産に収束されてくるので、教育を強化する(土曜日も授業をするとか、理系を目指す学生には今の大学初等レベルの数学は高校で教えるなど)
  • 日本の潜在的労働力(ニートと言われている人達)を甘やかさない。
  • フリーターにも正社員と同じ社会保証を義務づける
  • 出産、育児は最終的には日本に貢献するため、社会的に保護してゆく(現在の問題点は、実際の出生率と、女性が生みたいと思っている出生率の解離なので、これを無くす政策をとる事が一番大切)
  • 高校、大学、大学院の定員を下げる(移民政策をとなえる人は、ブルーカラーの仕事を若い人はしたがらないというが、これは無駄に高学歴が増えたための減少で、”給料がそれほど変わらないなら単純労働の方が良い”と思っている人もたくさんいるはずだと考えているため)
  • 親の職業、給料等が子どもの学歴、職業に極力影響しないように国公立の教育機関を無料にする


という感じかなぁ。
なんかちょっと書こうと思ったらだいぶ長くなってしまいましたが、私が言いたかったことをまとめると

  • 人口減の機会をこれみよがしにみせつけ、不安をあおり、利用して女性の社会進出を必要以上に目論まないでください。
  • 仕事をする上で、女性の力は必要不可欠ですけど、割合が無駄に高いと邪魔なだけ。男女平等を詠うなら、非力な男が土建で働きたいと言っても保証してあげてください。

となります。なんか適当なこと言ってますね。