そういうスタンスなのですね2
そういうスタンスなのですね
小泉メルマガで先週ふれた皇室に関する話題ですが、一応続きものですので後半も載せておきます。
● 「皇室典範に関する有識者会議」を終えて・後編
(皇室典範に関する有識者会議座長 吉川弘之)・・・そこで、私たちは、憲法に戻り、その範囲内で可能な方法を探ると
いう方法をとることとした。そうして、明治及び現行の皇室典範についての
検討の経過も追う中で到達したのが、女子や女系の皇族への皇位継承資格の
拡大である。(前編の末尾を引用)世襲による象徴天皇の制度は、古来の伝統を基礎としながら、戦後、昭和
天皇や今上陛下をはじめ、皇族の方々が、国民とともに、というお考えに立
たれ、ご公務や各種のご活動にたいへんなご努力を重ねてこられたことの賜
物である。これを、将来の世代に安定的に引き継いでいくことがなによりも大切だと
いう考え方に立ったとき、資格の拡大が必要であり、また、望ましいという
結論に達したものである。その内容については報告書に詳述したが、私にとって、それがある意味で
は明治以来の長い検討の末に到達したものだと理解はしつつも、古来の歴史
の変更であるという意味で、言葉には言い表せないほどの自問自答を繰り返
した末の提案だった。他の委員も同じ思いであったと思う。歴史にできるだけ忠実という条件と、未来を含めて国民の広範な支持を得
るという条件とを、同時に満たすという困難な条件を突きつけられた我々現
代人にとっては、避けることのできない自問自答であった。しかも、私たちは、特定の思想を前提にしない、その意味で中立的な立場
で検討するという条件を自らに課していたので、ときに重苦しささえ感じる
こともあった。有識者会議の提案の方向が固まるにつれ、各方面から、様々な思想や歴史
観を背景とするご意見をいただいた。それらに個別にお答えすることはでき
なかったが、このような検討の態度をとったことはぜひご理解をいただきた
いと思う。各会議の終了後には、毎回、原則として時間制限なしに記者会見を行った。
率直に言って、これは、私にとっては大変疲れるものであったが、会議の様
子をお伝えする上で必要なものであり、また、結果として非常に有意義なも
のであった。私としては、この記者会見の場で、皇位継承に関連する個別の問題を一つ
一つ検討しつつ、それら相互の関連を究明することを通してのみ、中立的な
提案を行うことができるということを繰り返し述べてきたつもりである。有識者会議の結論は、すべて報告書に書かれていて、ここに繰り返すこと
はしない。私たちとしては、その結論が、象徴天皇の制度を安定的に将来に
引き継ぐうえで最善のものと考えている。もとより、今後、国会等でもさらに多様な角度から議論が尽くされること
となろうが、できるだけ早期に安定的な皇位継承制度が定められること、そ
のために私たちの検討が役立つことを心から期待する。
でもまぁとりあえず、今まで話しにくかった皇室の継承問題ですから、一定の成果はあったんでしょうね。一応国民に考える機会を与えたわけだし。
ただ、ちょっと恐いのは、この”皇室の継承を考える最初の一歩”がいきなり法案として結び付いてしまう点なんだよな。普通ただの法律でも”国民の周知”のために施行まで少し間を置くことあるでしょ。この手の問題も、国会で議論する前に、国民に周知する方法をいろいろ考えて欲しかったな。