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かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

JT-60、高閉じ込め・高圧力状態のプラズマの長時間維持に成功

当たり前ですが、人が知らない間にいろいろがんばっているみたいです。というか、一応専門で出ているにもかかわらず、人からこのネタを教えてもらうことになるとは・・・。


ということで、リンク先の記事では少し分かりにくいので、核融合に興味のある皆様にも分かるように解説してみたいと思います。

その前に、なんでリンク先の記事が分かりにくいのかといいますと、別に書いている人の文章力がないとかではなくて、出来るだけ一般の方にも分かるようにと考えているのに、”語弊がないように”という呪縛に縛られている為ではないかと思われます。これは私の説明が”語弊”を含んでいても勘弁してよねという意味を暗に含んでいるんだという大人の解釈をしてくださいねという前フリです(相変わらず分かりにくい言い回しだなぁ)。

まず、新聞というにも載っている一番重要そうな点はプラズマを維持できた時間が延びたというところだそうです。


なんのこっちゃ?


プラズマを維持するということを簡単にイメージしていただくために、お部屋にある蛍光灯を想像してください。プラズマは熱いので、蛍光灯のガラス部分に接触しないように磁場で筒の中心部分に閉じ込めているのです。
この蛍光灯が、もしものすごく電力を食ってしまうとどうでしょう。それもコンセントで普通に電力を供給すると市レベルで停電してしまうくらい。はいそこ。コンセントからだと市ごと停電するような自体にはならねーよバーカとか言わないように。例えです。
それはものすごい熱を発生しますよね。蛍光灯についたスイッチ等の部品も熱を持ちます(その程度ですめばそれはそれでこわいですけど)。それ以前に停電すると電気を供給できません。ということで、市を停電させないように電力をためておく装置を設置し、蛍光灯が熱を持たない様に冷却システムを取り付けます。それでも多分蛍光灯のフィラメントがやられてしまうでしょう。長時間運転にはさまざまなハードルが出てきます。
プラズマもそんなもんです。多分。でも、プラズマの場合はそれ以外にもプラズマ自体が暴れるという現象があります。それも山ほどあります。分かりやすい例えでは、ファイヤーホース不安定性というのがありますが、消防のホースの先を持たずに水を流す状況と同じです(いや、核融合の世界ではマイナーな不安定性かも知れませんが)。ちなみに、不安定性とは私の中では、少しのずれがまた同じずれを呼び込んでしまう状況を想像しています。結局プラズマが壁などに当たってつぶれるまでずれが成長することもあります。いろんな不安定性が絡みあって制御が難しいんだと考えると良いかもしれません
そんなこんなで、プラズマを長時間点火するのはとっても難しいわけです。


今回達成したことは何かと簡単に言いますと、要するにジャバラに水を流していたのを、ジャバラの波の部分があると効率よくないよねってことで、普通のホースに近い形にしましたよということです。ちなみに、ジャバラとホースはプラズマを閉じ込めている磁場で、水に相当するのがプラズマです。さすがにプラズマを流すって言うと語弊が怖いな・・・。まぁ、まぁ細かいことは気にせずに。ちなみに、このジャバラをホースにするといっても微妙で、波の細かいジャバラに変えたと言う方が正確かもしれません。


で、効率が上がったので、同じ程度の状態を維持するために必要な電力も低く抑えられたため、時間が長くなったよって事とだと思われます。周辺装置の負荷も低く抑えられますし。


ということは、本質的には長時間運転の時間が延びたことが重要ではなくて、ジャバラをなくすことで効率がものすごく上がったということの方が重要なわけです。


さすがに、プラズマ核融合であるとかITERの成果であるとか、その辺の見通しが明るくなるほどの成果なのかといわれると疑問ですが、それでも効率は大きく上昇しているわけで、また一歩核融合の実用炉へと近づいたのは間違いないでしょう。


個人的にはITER(トカマク)よりSTの方に予算を多めにつけてくれるとうれしかったりします。