かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

職業病

最近、医薬に携わるお仕事をしているため、こういうニュースを見るとつい反応してしまいます。

http://www.asahi.com/national/update/0919/TKY200609190125.html

ジェネリック医薬品、医師の7割が信頼性に「?」
2006年09月19日11時29分

 新薬の特許が切れた後に同じ成分で開発され、価格が安く抑えられた後発医薬品ジェネリック医薬品)について、日本医師会は、医師の約7割が「使用に慎重あるいは懐疑的な意見を持っている」とする調査結果を発表した。日医は「現場での信頼性が確立されているとはいえない」として厚生労働省などに問題点を訴えていくという。

 5月末から7月、ホームページを通じて後発品の品質や効果について会員の意見を募り、約580人から回答があった。

 後発品の「効果」について尋ねたところ、有効回答154人のうち「問題なし」との答えが31%だったのに対し、「問題あり」は69%。「品質」(有効回答104人)についても54%が「問題あり」とした。「安定供給」(同89人)については7割が、副作用や安全などの「医薬品情報提供」(同116人)については8割が「問題あり」と答えた。

 後発品は開発費がほとんどかからないため、価格は新薬の2〜7割。厚労省は医療費抑制のため利用促進を打ち出し、4月に規制が緩和され、市場参入が相次ぐなど使用が広がっている。

最近法律が変わって(ずいぶん大雑把な言い方ですが)、処方箋が変わりました。
後発品を使っても良いかどうかのチェック欄が追加されたということです。まだ実物は見てませんが。

政府としては、医療費を抑える一環として後発品の使用を進めたいという思惑があるわけです。

ところが、なぜかいまいち現場での利用が進みません(海外比)。


記事にもあるように、やっぱり信用できないという人が多いみたいです。原因としては
・MR(医薬品の情報を提供する人)の数が後発品では少ない
・副作用に対する情報が、先発品と比べて圧倒的に少ない
・製造方法が厳密に同じとはいえない
・供給能力に不安がある(供給責任を持っていない)

というところでしょうか。
同じ成分の薬でも、販売元が情報を提供するのが当たり前なので、たとえ後発品でも”先発品メーカーに聞いてください”とはいえないわけですね。副作用についての情報なんて、後発品メーカーではなかなか提供できないと思います。

医薬品を売る側としては、同じ薬なら高い方が利益は大きいわけで、安い薬を使うという気持ちにはならないと思います。政府としては、後発品の方が保険を聞かせるときには点数を高くするとか、いろいろと工夫はしているみたいです。


ただ、お値段以外にも、いろいろ不安を払拭しきれていない後発品ですが、薬効に関して不安があるのであれば、しっかりとした統計的な調査をするべきで、それ以外の問題はもっと普及しないと解決しない問題だと思います。お医者さんは不安がってないで、もっと積極的に使用するべきだと思います。
何かあってからでは遅いんだといわれそうですが、こつこつとした節約で救える命もあるはずです。これからの財政状況を考えると、”不安だから”という理由だけではすまないのではないのかなと思います。