かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

そこは健康診断にしませんか?

もうすぐ40になろうとしているおじさんからの提言です。


えっ?人間ドックの間違いじゃないの?って思った人もいると思うんですけど、ちょっとここで健康診断と人間ドックのおさらいをしてみたいと思います。

まずは健康診断って何ってところからなんですが、
健康診断 - Wikipedia

学校や職場、地方公共団体で行われるなど『法令により実施が義務付けられている』ものと、受診者の意思で『任意に』行われるものがある。任意に行われる健康診断は診断書の発行を目的とした一般的評価のことが多いが、全身的に詳細な検査を行い多種の疾患の早期発見を目的としたサービスも広く普及しており、船舶のオーバーホール施設になぞらえて人間ドックと呼ばれる。

ということで、社会人でいう健康診断というと、法令で定められている年に一回の検査で、

  1. 喫煙に関する問診(対象疾患:喫煙行為)
  2. 身長・体重(対象疾患:肥満、その結果として生じる疾患)
  3. 血中脂質(対象疾患:脂質異常症
  4. 血圧(対象疾患:高血圧症、高血圧症に続発する疾患)
  5. 空腹時血糖・グリコヘモグロビンHbA1c(対象疾患:糖尿病)

という項目が検査対象になっている診断を指します。

全国健康保険協会でも
どんな健診があるの? | 健診・保健指導のご案内 | 全国健康保険協会
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g4/cat410/sb4010/r35

項目 検査の内容
診察等 視診、触診、聴打診などを行います。
問診 現在の健康状態や生活習慣(飲酒、喫煙の習慣など)を伺い、検査の参考にします。
身体計測 身長、体重、腹囲を測り、肥満度の指標であるBMIも計算します。
血圧測定 血圧を測り、循環器系の状態を調べます。
血中脂質検査 動脈硬化などの原因となる中性脂肪HDLコレステロール、LDLコレステロールを測定します。
肝機能検査 肝細胞の酵素を測定し、肝機能などの状態を調べます。
血糖検査 空腹時血糖またはヘモグロビンA1cを測定し、糖尿病などを調べます。
尿検査 腎臓、尿路の状態や糖尿病などを調べます。

などが検査項目として挙がっています。
幾つかパターンが有るようですが、オプション無しでざっくり6000円、1~2時間程度の検査となります。会社によっては全額健康保険組合が補助してくれて、自己負担無しのところも多々有ると思います。

じゃあ人間ドックはなんなの?というと、
人間ドック - Wikipedia

日本では、人間ドックは医療保険の対象ではないが、加入している健康保険組合によっては年齢などの条件(35歳あるいは40歳以上)を満たせば一定額の補助が出る。人間ドックは労働基準法労働安全衛生法で定められている健康診断に含まれる。

ということで、健康診断の検査内容をカバーし、その他様々な検査もやってくれるものを指します。
費用は会社が加入している健康保険組合が補助してくれるようですが、1万円以上の手出しがあり、また前日から食事をとってはいけないとか、半日から2日程度検査に時間を要するなどの負担があります。

検査項目の違いは下記リンクが分かりやすかったんです。もちろん病院によって検査項目に差異はありますが。
人間ドックと健康診断の違い - MRSO(マーソ) - 人間ドックの予約ならマーソ
https://www.mrso.jp/mrsocmscustome/wp-content/uploads/2013/08/design2_02.png
私の中では、空腹時の血液の検査と、便とバリウムを飲む胃部レントゲンあたりが主な違いと認識しています。

これまで私は、35歳以上になったら人間ドックと決められていて他に選択肢が無いんだと思っていました。ただ、仕事との兼ね合いを見ながら人間ドックの日取りを決めるのが面倒で、人間ドックの予約を後回しにしていたら、つい先日会社から催促があったんです。人間ドック受けてない人は年内には受けときなさいよと(毎年年度末まで引っ張る人が大勢いて、年度末はどうしても病院も忙しく日程調整が間に合わず人間ドックを受けられない人がいるんだと思います)。

私も過去に数回人間ドックを受けましたが、日程調整、前日から当日にかけての準備、半日以上の拘束とまあいろいろ面倒だなと思って今回はそれをなんとか回避できないものかと調べてみたんですよ。


で、上記のそもそもの定義から見てみると、どうも国が定めた法令では人間ドックではなく、健康診断をしなさいよということらしいぞと。人間ドックというのは、法令という観点からは強制ではないんだなと。

ということで、次は会社の担当者に電凸

聞いた限りでは、

  • 会社としては、人間ドックを受けて欲しい
  • 健康診断でも可は可
  • 特にどの診断を受けたとかは職場に連絡は行かない(理由とかいちいち上司から聞かれても面倒ですし)

という感じでした。


そして、会社としては、検査を受ける人は、半日休んでも半休扱いにならないところもメリットです(うちの会社的に)。
こうなると、例えば金曜日の午後とかに健康診断を入れると2時間程度で検査が終了してあとは遊んで帰るだけ。これって最高じゃない?

そんなわけで早速病院を探して予約。

速攻予約済ませて、奥さんにも教えてあげました。そしたら、
「いやいや、検査はちゃんとしたほうが良いでしょ。がんとかだったらどうすんの?」
と。

これは私の非常に個人的な意見ですが、がんって進行が早いがんと、進行が遅く見逃してもさほど問題ないがんに分わけられるんじゃないのと思っています。進行の早いがんって、見つかってもすぐに転移して非常に助かりにくく、逆に言うと、がんだと言われて、それでも治療して助かっている人は、実は進行の遅いがんだっただけなんじゃないの?と思っています。
まあ命に関わることなんで、最後は自己責任なんですが。
なんでこんなことを思うようになったかというと、実は東日本大震災の後の福島原発放射能漏れが起きた時に騒がれていた甲状腺がんは、進行が非常に遅いものが多く、老衰で死亡した人の何割かは甲状腺がんにかかっているということが書かれた記事を見たからです。
それから、いろいろ調べてみると、この手の進行の遅いがんはスクリーニング効果と言って、健康への影響が少なくこれまであまり検査していかなったものを、急に検査数を増やすと、急激に罹患率が増えたように見えることがあるということや、過剰診断と言って、治療が不要なものを見つけて手術してしまい逆に健康を害することがあること、またそもそも検査自体が健康被害を招くことが場合があるなど、必ずしも検査自体を善と考えていない人たちがいることを知りました。
「過剰診断」とは何か - NATROMの日記

そして、このブログを書くに辺り、以前みた甲状腺がんの潜在的な罹患率について書いた記事を探してみたんですが、それは見つからず、逆に病院の、甲状腺がんを治療する方法などが書いた記事が大量に。。。

やっぱり、検査や治療をしたほうが儲かる側からは、検査や治療をしなくてもいいですよって情報はなかなか出てこないですよね。逆にその人の利益が減る方向の内容を書いている人の方がよほど信用できそうです。

こんな私でも、検査して”がんですよ”って言われちゃったらやっぱり眠れない日々を過ごし、結局治療しましょうってなると思うんですよ。

というわけで、体に不調があったら病院に行く。それまでは基本気にしない。これが一番健康に良いような気がするんです。
あとは献血。年数回受けてますが、簡単な血液検査の結果は返してくれるので、それで十分です。今は過去の記録もネットで見れて便利ですよ。
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(検査の数値は一応消してあります)

ちなみに、私の奥さんは昨日レディースドックなるものを受けたらしいんですが、胃部レントゲンのために飲んだバリウムで体調を崩し、今寝込んでいます。

奥さんは知らなかったみたいですが、バリウム検査もそこそこ危険です。
バリウムの便は何日体にあると危険か - 人間ドックの予約ならマーソ

このことからもわかるように、バリウムが身体の中に長い間とどまることは非常に危険です。固まったバリウムが腸に穴をあけてしまい、重篤な事態になります。バリウムは消化も吸収もされませんので、飲んだら排泄されなければなりません。排泄をしやすくするように、胃の検査の時に最初に下剤を飲んでからバリウムを飲むことがあります。検査後の注意で必ず言われることは、水分をたくさんとることです。これは必ず守って下さい。水を飲むことでバリウムが固まることを防ぎ、バリウム便を排泄しやすくします。

体にとどまると危険だけど、検査だからやむなしってことなんでしょうけど、検査をする健康被害と、バリウムでがんを見つけて、結果的に助かるのはどちらがメリットが大きいんでしょうか?
バリウム検査における発癌リスク|新日本橋石井クリニック

ところが胃バリウム検査が意外に被ばく線量があることをご存知ですか。
直接撮影(大きなフィルムで撮影する方法)では15-25mSy。間接撮影(健診車による小さなフィルムで撮影する方法)では20-30mSyになります。胸部X線写真の被ばく量が0.1mSy(読売新聞の0.02mSyが間違い)ですから胃バリウム検査では何と胸部X線写真の150-300倍の被ばくがあることになります。

バリウム検査で妻亡くした夫が心境語る 検査そのものに危険性も - ライブドアニュース

バリウムX線検査は、はっきりいって30年前の理論です。凹凸の変化が出る(*注)のは、ある程度がんが進行している状態ですから、早期がんは見つからない。それで数多くの人が命を亡くしているわけです。内視鏡で検査すれば確実に早期で発見できるのに、見殺しにしているようなものです」

厚生労働省が胃がん検診に内視鏡(胃カメラ)推奨せず バリウム検査とどっちがいいの? - NAVER まとめ

複数の論文で、内視鏡検査により胃がん死亡が減少する効果が示唆されたが、論文の対象人数が少ないなどとして、05年の指針と同様、科学的根拠が不十分と判断。公費で行う検診としては「推奨しない」と結論づけた。

ネットの情報を鵜呑みには出来ませんが、バリウム検査でわかるがんは、比較的進行しているがんですってことですよね。でも国としては、内視鏡検査はエビデンスが少ないから推奨はしないと。



もうね、調べれば調べるほどドツボにはまっていく感じがします。
私は専門ではないので、実際のところはよくわかりませんが、検査や治療が増えても自分のところの利益にならない団体で、病院とかお医者さんとか製薬企業とかそういう業界と一切のつながりが無いところが、中立な立場から統計情報を調べてくれませんかね。私にはなにが正しいのかさっぱりわかりません。




とうことで、結論は何が正しいのかさっぱりわからないけど、逆に人間ドックのメリットもはっきりしなかったので、人間ドック面倒だなって思う人は、いっそ健康診断だけにして、会社の顔も立てつつ、余った時間をゆっくり喫茶店でお茶を飲んで過ごしてみてはいかがでしょうか?