かってにインパクトファクター

子育てサラリーマンが日々の雑多なことをつらつらと綴ってます。時々政治ネタ経済ネタコンピュータネタなどをはさみます。

今年の日本人ノーベル物理学賞受賞は3人でしょ!

現代ビジネスにこんな記事が載ってました。

ノーベル物理学賞の受賞者は「日本人3人」? 中村修二氏の米国籍を無視する新聞報道の是非を問う | 牧野 洋の「メディア批評」 | 現代ビジネス [講談社]

今年ノーベル物理学賞を受賞したのが日本人3名という表現が気に入らないという方が多いようです。

これに関しては、中村修二さんという、青色LEDの特許に関連して200億円の訴訟を起こしたことで有名な方なんですが、この方がアメリカ国籍を持っていること及び、日本では二十歳以上の二重国籍を認めていないことから、今は日系アメリカ人だろうということで、日本人受賞者3人という表現が気に入らない人がいるようなのです。

最初私も、日本人3名という表現はちょっと語弊があるのかなとも思っていたんです。でも、よくよく考えると、中村修二さんは日本人だった頃に出した成果に対してノーベル賞を受賞するんですよね?

だったら、今ナニ人でも関係無いんじゃないのかな?

でないと、それを認めた途端に、ノーベル賞が欲しいだけで、そのバックグラウンドまで関心が行かない某国が、何がなんでも(お金以外の手段も含めて)、ノーベル賞候補者を取りに来るんじゃないですか?

研究成果は天才がいれば出てくるわけじゃないんです。
もしそうなら、一人の天才から次々と、びっくり仰天な発明が出てこなければいけませんが、少なくとも中村修二さんは青色LEDのだけですよね。それも、その発明全体の中のごく一部。中村修二さんがダメだと言ってるわけではなくて、私の知る限り、例えば相対性理論で有名なアインシュタイン光電効果に関連した研究でノーベル賞を取っていたよなとか、レオナルド・ダ・ヴィンチはいろんな成果を残しているよなとか数えるほどしか浮かばないんですよ。複数の業績で成果出している人って。

でもそれって当たり前のことなんです。
だってそこに答えがあるかどうかなんて、誰にもわからないんだから。そして、答えがない領域ではどんなに天才だって答えは出せません。

そして、無いことを証明するということは不可能に近く、一つの答えを出すことにすら非常に時間がかかる世界です。

だからこそ、答えがないかもしれない領域を諦めずに研究し続け、成果を出した人にはそれなりの賞があるのは当然だと思います。
ただ、その背景には、多くの答えが出せないところを必死になって研究した方が多くおられるのです。

偶然答えのあるところを研究していた天才(どういう天才かは別にして)だけをすくい集めて自国に詰めることになんの意味もないですが、不幸な人を量産しそうです。
(もちろん、それなりの天才を集めると、答えが出せる確率は上がりそうですが、なぜか大きな成果を出している人って、若い頃に出しているんですよねー。不思議。)

最も大事なことは、この答えがあるかどうかわからないところをひたすら研究する環境を作ってあげること。
そして、当時その環境があり、そして成果につながったのは日本なんだから、日本人3名ノーベル賞受賞でいいと思うんです。

そして、日本は成果が出るかどうかわからないところでも、しっかり研究できる環境を提供していたという意味で、いい国なんだと思います。

私は、日本の研究者は全然不遇の環境に置かれているとは思わないです。給料はもう少しいいほうがいいのかもしれませんが、より優先的に改善しなければならないのは、欧米と比べて民間企業は再就職が難しいのに、何故か研究者だけは非常に不安定な雇用環境に置かれている点と、お金の使い方に縛りが強すぎて、自由な活動ができない点だと思っています。

優秀な研究者が海外に逃げてしまうことは問題かもしれませんが、それより、日本の再就職が難しくなる35歳を前に、公務員の研究者から民間へ移ってしまう人が相当数いることも問題だと思うんですよねー。

まあそれは別の話ですが。