残業時間削減の奥の手発動
最近はどこの会社でも、従業員の残業時間に目を光らせているのではないかと思います。
弊社でも当然、従業員の労働時間はきっちり管理されているわけです。弊社ではパソコンの起動時間がベースになって自動で登録される仕組みです。
ただ、どうしてもシステムの不具合とか、シャットダウン忘れとか、業務以外の用途でとかあるわけで、その場合は月末にまとめて修正申告手続きをしていた訳です。
ところがコロナ渦ですよ。
従業員の手続きの手間を減らしたい。本当か嘘かは分かりませんが、そんな理由で、勤務時間の修正は、申告なしに出来るようになりました。
これまでは、会社の事務室とか通路で合った顔見知りも、別に「どーもっ」って感じで軽く流してたんですが、コロナ渦にあって出社率が減ると、たまにしか会えないレア感から、顔見知りの同僚とは逆に近況をよく話すようになりました。
どうやら別の部署は、半日単位でも、打ち合わせがないなら積極的に年休を取らせているとかなんとか、聞くわけですよ。
ところが弊部では逆に仕事が増えていて、それも逆に内向きの、上司とかに説明するための仕事や調整のための打ち合わせが増えており、もう全然休めません。
これはあれかな。リモートで効率あげちゃうと、業務時間が半分以下に減っちゃうから、上司が気を使って、増やしてくれてるのかな。
まあそんなわけで、内側の何も生産しない、子供になかなか説明できない仕事ばかりやっていたのですが、残業時間だけは増えていくわけです。
そうすると、例の残業時間の上限に引っかかってくるわけです。
総務に警告されて初めてそのルールの厳しさに気づく。そんなおっさんでございます。
しかもイエローカードが出たあとは、毎週総務にフォローされる始末。あんたら暇なんじゃないの?そんな疑問しか浮かんでこないんですが、とはいえ私も立派なサラリーマン。「同僚と調整して、業務量をコントロールし、しっかりルール遵守しております。」とか適当なこと言ってるわけです。
ところが年度末ですよ。
えぇ。みんな大好き年度末。
学生さんにはなかなか理解できないと思いますが、サラリーマンはだいたい年度末に忙しくなります。安心してください。私も理由はわかりません。
でも忙しくなるものはしょ~がない。
残業時間多くなっちゃうなぁとか思ってたらあれですよ。総務のフォローメール。
で今の残業時間見るとちとやばい。
そうかどうしよう。悩んでたんですが、試しに勤務時間の管理システムの数字をいじってみると、簡単に修正できます。
そうかそういうことか!
わざわざシステム設定変えて、自身で業務時間変更できるようにしてたけど、最近総務が「適切に業務時間をつけてください」とか言ってたけど、全部つながったよ。おじさんなかなか気づかなくてごめんねー。
いやお時間おかけしました。気づくの時間かかった。
あんた、法律ぎりぎりまで業務時間つけんなよ!システムから修正できるでしょってことなのね。コロナ前なら席に来て、顔つき合わせて意図を伝えるところが、メールになっちゃったから、わかんなかったよ。
そういうとこなら遠慮なく。ってとこで、勤務時間つけてるシステムちょちょっとさわって全部定時退勤ね。はいはいシャットダウンうまくいかなかったんですわ。そんなことをコメントに残して、総務にも「もう大丈夫っすよ!お時間おかけしましたわ!」とかね。
これで年度末も乗り越えられる。そんな確かな手応えがそこにはあったのです。
ある日いつものように、定時超えても気にせず内向きなお仕事に勤しんでいたら、突然それはやってきました。
このパソコンは5分後にシャットダウンされます。業務時間は適切に管理しましょう。
画面いっぱいに広がる警告。かつてのブルースクリーンなみの圧倒的破壊力。
あれっ?間違ってました?総務の意図間違って汲んじゃいました?てかバレてんじゃん。
そんなわけで、これからは残業時間気にせずお仕事できるようになりました。
だってかってに落ちるんだもん!
本編はフィクションであり、実在の人物や団体などとは一切関係ありません。ご了承のほどよろしくお願いいたします。